ドクターの皆様こんにちは。
医師にとって"薬"は診療の手助けをしてくれるパートナーのような存在ではないでしょうか。
今回はそれらのお薬を単純に「どれだけ売れたか」という点を元に調べてみました。
近いところで2015年日本の売上高トップ5の薬剤をランキング形式で見てみましょう
(データはIMSジャパン調べ。後発医薬品は含まない。)
まずは第5位から。
第5位 :アバスチン(中外製薬)
売上高 : 約938億円
第5位はアバスチン(ベバシズマブ)です。
世界初の血管新生阻害薬で、一般的に他の抗がん剤と併用し、がんの縮小を図ります。
切除不能な再発・進行大腸癌に使用されます。
第4位 :ミカルディス(アステラス製薬)
売上高 : 約972億円
第4位は降圧薬であるミカルディス(テルミサルタン)です。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)に分類され、臓器保護作用や血糖降下作用も認めるため広く処方されています。
第3位 : プラビックス(サノフィ)
売上高 : 約1,000億円
第3位は抗血栓薬であるプラビックス(クロピドグレル硫酸塩)です。
血液を固まりにくくし、心筋梗塞や脳梗塞などの予防に使用されます。
第2位 : ソバルディ(ギリアド・サイエンシズ)
売上高:約1,508億円
第2位はソバルディ(ソホスブビル)です。
C型ウイルスに特異的に作用する核酸型ポリメラーゼ(NS5B)阻害薬です。
飲み薬で、著効率が高く、重い副作用がない、など革新的な薬剤で2015年5月に発売になったにも関わらず2位にランクインとなりました。
第1位 : ハーボニー(ギリアド・サイエンシズ)
売上高:約2,693億円
第1位は同じくC型肝炎の治療薬であるハーボニー(レジパスビル/ソホスブビルの合剤)です。
こちらは第2位のハーボニーにNS5A阻害剤であるレジパスビルを加えたもので、著効率は100%とも言われています。
2015年9月に発売されたにも関わらず、2015年の売上高で断トツの1位となりました。
いかがでしたでしょうか。
比較的新しい薬、ということもありますが1位のハーボニーと2位のソバルティは聞きなれないお薬だという方も多いのではないでしょうか。
これらのマイナーな薬がランクインした理由として、その薬価の高さがあげられます。
なんと、1錠あたりの薬価がソバルディは約60,000円、ハーボニーは約80,000円とのことです。
ハーボニーは1日1回1錠を12週間経口投与するため、治療終了までに
80,000円×12週×7日=6,720,000円
なんと672万円ものお金がかかるのです!
薬の進歩のおかげで治療できる疾患が増えたことは嬉しいことですが、これからさらに薬価が高い薬が出てくることを考えると医療費の問題が心配になってきますね。
※オマケ
ハーボニーの売上高2,693億円、というのは日本の企業で言うとサイバーエージェント(2,543億円)、コナミ(2,499億円)の会社全体の売上よりも高いことになります。
薬一種類だけで大企業の売上以上・・・。すごいです。